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産業用ロボットの基本構成と動作する仕組みをご紹介します

<解説>
産業用ロボットの基本構成や動作の仕組みを部位ごとに解説します。

産業用ロボットの基本構成

ロボットの構成は大きく分けて「マニピュレーター・駆動部」「センサー部」「制御部」の3つに分かれます。下図は6軸垂直多関節ロボットを例として各部の構成要素を示します。スカラロボットなど他ロボットにおいても基本的には同じ構成です。

・マニピュレーター・駆動部
リンク、ジョイント、エンドエフェクタ、
アクチュエータ
・センサー部
エンコーダ、力覚センサーなど
・制御部
制御盤、ティーチングペンダント

6軸垂直多関節ロボット

産業用ロボットが動作する仕組み -マニピュレーター・駆動部-

マニピュレーター

マニピュレーターとはロボットのアーム部分を示し、人間の腕に例えると「骨=リンク」、「関節=ジョイント」、「手=エンドエフェクタ」から構成されます。エンドエフェクタによって物を掴んで移動させたり、溶接を行ったり、塗装を行ったりすることが可能です。ロボットの種類はマニピュレーターの構造によって以下のように分類できます。

■ 垂直多関節ロボット

リンクとジョイントを一つずつ動かしていく「シリアルリンクメカニズム」という構造。軸数は5軸、6軸、7軸あり。

垂直多関節ロボット

■ パラレルリンクロボット

リンクとジョイントで作られる連結連鎖が、複数個並列(パラレル)に配置された「パラレルリンクメカニズム」という構造。

パラレルリンクロボット

■ 水平多関節(スカラ)ロボット

1つの上下運動と3つの回転運動を持つ4軸構造。

水平多関節(スカラ)ロボット

■ 直交ロボット

単軸直動ユニットを組み合わせたシンプルな構造。

直交ロボット

■ 双腕ロボット

2本のアームは、リンクとジョイントで構成されており、人と共に働く「協働ロボット」と同じ条件で使用する場合が多い。

双腕ロボット
駆動部

駆動部は、マニピュレーター(リンク、ジョイント、エンドエフェクタ)を駆動させる部分でアクチュエータとも呼ばれます。
アクチュエータ(駆動部)はサーボモータ、減速機、ブレーキ、伝動機構から構成されます。

(1)サーボモータ 駆動部の主要部品。ロボットは繰り返し精度が求められるため位置・速度制御が高機能なサーボモータが利用されます。
なお、サーボモータの回転量を検出するエンコーダも駆動部の中にあります。
(2)減速機 サーボモータの力をアップさせるための装置です。
サーボモータ単体では出せる力に限りがあるため、減速機と組み合わせて大きな力が出します。
(3)ブレーキ ロボットの動きを瞬時に停止するために使用します。停電や電源が切れた場合に安全を確保します。
(4)伝動機構 アクチュエータや減速機を通して得た力を伝える要素で、力の向きや大きさを変えることも可能です。
ロボットのサーボモータは通常ジョイント付近に配置することが多いですが、
ベルトや歯車などの伝動機構を使うことで離れた場所に置くこともできます。

産業用ロボットが動作する仕組み -センサー部-

センサーには大きく2つの役割があります。1つは「アクチュエータ(駆動部)状態の計測」2つ目は「センサーが受けた信号をコンピュータが取り扱い可能な電気信号に置き換えること」です。ロボットのセンサーには、正確で円滑な動作のために ロボット自身の状態を計測する内界センサーと周囲の状況を判断して行動するために必要な情報を計測する外界センサーがあります。
内界センサーには、回転角度(回転量)を検出するエンコーダ、電圧センサー、電流センサーなどがあります。
外界センサーには、力覚センサー、カメラなどがあります。

(1)エンコーダ エンコーダは、サーボモータの回転角度(回転量)を検出する内界センサーです。 サーボモータ軸に取り付けられたコードホイール(回転ディスク)と呼ばれる回転円盤に放射方向にスリット(穴)をあけて、スリットを光が通過するかしないかを光センサーで検出する方式です。
スリットを通過すると光パルスの信号(一定の幅を持った信号の波)が変化し、この光パルスを受光素子で検出し、電気信号に変換して出力します。パルスの数を数えればモーター軸の回転量がわかります。
ロボットのサーボモータの回転量検出で広く使用されているエンコーダは、ロータリエンコーダです。計測方式によって「インクリメンタル方式」と「アブソリュート方式」の2種類に分けることができます。
インクリメンタル方式は、ある位置から次の位置までの移動量を検知するタイプのエンコーダで相対角度検知タイプとも言います。モーター軸の角度変化を出力します。
アブソリュート方式は、原点からどれくらい離れた位置にいるかを検知するタイプのエンコーダで、絶対角度検知タイプとも言います。モーター軸の絶対角度を出力します。

ロータリエンコーダ(インクリメンタル方式)

(2)力覚センサー 力覚センサーは、複数方向の力やモーメントを同時にリアルタイムに検出することができる外界センサーです。X、Y、Zの3方向の力(Fx、Fy、Fz)と各軸まわりのトルク(Mx、My、Mz)を計測できる6軸力覚センサーが広く使用されています。6軸力覚センサーは、負荷の状態をすべて把握することができます。
力覚センサーは、物体のひずみを測定するゲージをセンサー内部の力を受ける箇所(起歪体)に接着し、力に応じて一緒に伸縮します。この伸縮の変化を電圧変化として捉え、アンプ(増幅器)で増幅し比較的大きな電圧変化に変換して読み取っています。
力覚センサー情報を用いて、ロボットに人の手のような感覚を持たせることができ、今までのロボットでは難しかった微小な力加減を必要とする作業が実現できるようになります。

力覚センサー

産業用ロボットが動作する仕組み -制御部-

制御部とはロボットを制御する人間に例えると脳(知能)に相当する部分です。制御盤とティーチングペンダントで構成されます。

制御盤

制御盤にはロボットを制御するコンピュータ(PLC)が搭載されています。駆動部やセンサーを全てコンピュータ(PLC)に接続して、あとの処理をソフトウエアで行うようにすると、複雑な処理がしやすくなったり、何かあったときにプログラムの修正で済ませることができるようになります。なお、PLCとは”プログラマブル・ロジック・コントローラ”の略でコンピュータのことですが、事務用のパソコン(PC)と区別するために、旋盤のような自動機械やロボットを制御するコンピュータをPLCと呼んでいます。制御方法の代表例はPTP(Point To Point)制御とCP(Continuous Path)制御が挙げられます。

(1)PTP(Point To Point)制御 目標点への位置決め制御を意味し途中経路は問題としない制御
<用途例>
・搬送…目標位置への移動位置を重視する作業
・スポット溶接…目標位置点の溶接作業

(2)CP(Continuous Path)制御 連続経路(Continuous path)に追従させる制御を意味し、目標軌道を指定するための制御
<用途例>
・アーク溶接…溶接対象箇所への連続経路が重視される作業

制御盤
ティーチングペンダント

ティーチングペンダント
ロボットに作業手順や位置情報の記憶など設定するために使用する操作機器を示します。上記のような設定作業を教示(ティーチング)と呼びます。実際にロボットを動かしながら位置情報を記憶させ、作業者が目視で位置を確認できます。工作機のような専用パソコンによるプログラム設定と異なり、比較的に操作が簡単なためティーチング方式による制御が主流となっています。

近年はティーチング方法がさらに改良され、ロボットアームを直接、手で動かしながら位置情報を記憶させる「ダイレクトティーチング」も登場しています。

ティーチングペンダント

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